御侍史と御机下

医師に手紙を書くときに宛名はどのように書いていますか?
○○先生
○○先生御机下
○○先生御侍史

宛名の書き方にはいろいろありますが、どれも正解です。
時々「○○先生様」と書く方がいらっしゃいますが、これは二重敬語になり間違いですので今すぐやめましょうね。

「御侍史(おんじし・ごじし)」「御机下(おんきか・ごきか)」はあまり見慣れない方もいらっしゃるかもしれません。
これは脇付(わきづけ)と言って、手紙の宛先に添えて敬意や注意を表すために使用する言葉です。
本来は「侍史」「机下」で使い「御侍史」「御机下」は二重敬語になるのですが、このように書くことが慣例になっているようです。

意味としては次のような意味です。

「机下」は、中国の用語で「自分の手紙など取るに足りないものだから、机の下にでも放っておいて時間がありましたら読んでください。」という意味の謙譲表現。
「侍史」は、「先生のような位の高い人に直接手紙を書いて渡すのは畏れ多いので、侍史(お付の人)が開けて取り次ぎしてください。」という尊敬表現。


脇付は手紙の宛先に添えて敬意や注意を表すために使用する言葉です。正式には縦書きの場合、宛名(「様」などの敬称はつけます)の左下に脇付を書きます。
そのまま続けて書くことも多いのですが、

なお 「御侍史」の「(さむらい)」を間違えて「(まつ)」とする例をときどき見かけます。
宛名を間違うのと同じくらい恥ずかしいことなので、文字を間違えないよう気を付けましょう。


参考)正式な脇付の例



担当の医師の名前がわからない時の宛名書きはこちらの記事で紹介します。
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カルテの書き方2(POMRとは?)

カルテ・施術録(ここでは「施術録」で統一します。)はみなさんどのように書かれていますか?
・「マッサージ、30分」のようにやったことだけを書く。
・経絡、経穴の名称を中心に書く。
など、いろいろな書き方があります。

これは、鍼灸マッサージの施術録の書き方には「こう書かなければいけない」という決められたルールはありません。が、以前の記事「カルテ・施術録の書き方(基本編)」で書いたように、施術録は「誰が見ても読める、そして理解できるようにすべき」です。そのため、医療の標準的な書き方に準拠した方法を取ることが望ましいという方もいらっしゃいます。

現在、診療記録の方法としてPOMR(problem oriented medical record:問題指向型診療録)が最も普及したシステムとされています

POMRは、大きく分けると次の4つの内容で構成されます。
情報の収集・・・基礎データの記録
問題の分析・・・問題リストの作成
問題解決のための立案・・・初期計画
計画の実施・・・経過記録

この方法を用いることで、他の医療職種の人にも鍼灸マッサージ師の推定した病態や施術法の決定の過程が理解されやすくなります。

それぞれは、次のように行うのが良いでしょう。

基本データの記録

基本データは診療の基礎・前提とすべき情報です。具体的には初検時の初検票(問診票)の情報がもとになりますが、これで終わりではなく、必要に応じて記載をしてください。
主な項目は以下の通りです。
・主訴
・現病歴
・既往歴
・生活歴
・家族歴


問題リストの作成

基本データを元に患者さんが抱えている問題をリストアップします。もし、医療機関で診断が確定しているなら病名を書きますし、確定していない問題はそのまま書きます。
医学的な問題だけでなく、心理的な問題や社会的な問題も書いておくと良いでしょう。


初期計画

問題リストの問題ごとに解決計画をに立案します。この計画には治療のための計画だけでなく、診断を確定させるための計画や患者さんに説明をしたり必要な指導を行うための育計画など様々な計画がありますので、区分ごとに記録すると見やすくなります。


経過記録

問題リストの問題ごとにどのような経過をたどったかを記録します。記載はSOAP形式で行います。SOAについては別の機会に書きますが、
・S:Subjective(主観的な内容、自覚症状)
・O:Objective(客観的な内容、他覚所見)
・A:Assesment(考察、評価、判断)
・P:Plan(計画、方針)
の意味で、患者さんの経過をこの分類で記録します。


医科と同じ形式で記載すれば、先方も内容の理解がしやすくなるので、施術情報を提供する場合や、何かしらの依頼をする場合にも意図が伝わりやすくなります。
仮にこの通りに記録する余裕がなくても、このような記録方法を知っているだけでも医療連携には役に立ちます。ぜひ覚えてみてくださいね。
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患者の望むカルテとは?

患者さんは自分のカルテを見たいと思うでしょうか?

患者さんが自分のカルテを読むとしたら、どんなことを知りたいと思うでしょうか?
また、どんなことが書いてあれば満足してもらえるでしょうか?

ご存知の方も多いと思いますが、カルテは施術者のものではなく、患者さんのもので、施術者は情報をお預かりしていると解釈されています
患者さんの満足を目的にカルテを書くのは、患者さんの利益を考えると正しいこととは言えません。しかし、日々の記録業務をしっかり行った結果、患者さんの満足を得られるのであれば、これに越したことはありませんよね。

患者さんが、自分のカルテを見て知りたいことを想像してみると…

1.「自分の症状などが、自分の伝えたとおり正しく把握され、理解されているか?
 これは確実に知りたいところでしょう。
2.「自分から聞き取った情報が整理され、所見などを根拠に科学的判断がされていることを裏付ける内容。
 これは施術内容の安心感につながりますね。
3.「適切な施術が行われ不正な請求がされていないこと。
 商売をする上での大前提ですが、誠実にやっているのが分かれば、信用にもつながります。
4.「症状の改善のメド
 わかれば苦労しないですが、一番知りたい内容でしょう。


1の「自分の症状」はカルテの主訴や現病歴、治療歴などの情報が自分(患者さん)が話した(もしくは書いた)通りにカルテに書かれていれば患者さんはきっと満足してくれるでしょう。
しかしながら、患者さんが一生懸命訴えた内容や詳しく説明した内容が全く書かれていなかったり、簡単にメモ書きしかされていなければ、患者さんは不満に思うどころか「この店に通うのはやめよう」と思ってしまうかもしれません。
2の「科学的判断」ですが、「なんとなくこの施術」や「経験上これで良い」では患者さんにとっては0点のカルテです。当たり前ですが患者さんは施術者ほどの知識がありません。説明するくらいの気持ちで書けば、見せたときに分かりやすい無いようになります。
3の「適切な施術」これは商売人として以前に、人として当たり前ですよね。
4のメドは最初から分かれば苦労しません…(笑)

どれもこれも、患者さんの立場になって考えれば至極当然の内容です。
患者さんにしてみれば、施術者が自分の立場になり、自分に寄り添って自分のために一生懸命に施術をしてくれているという姿勢が大切です。これを裏切ってしまうと「お金払っているのに何も良くならない」と言われてしまいます。このようにならないようにするためにも、患者さんの主訴と症状が医学的には関係のない内容であっても「患者さんは○○が△△であると考えている。テレビで××と言っていたのを見て心配している」のように書いておけば患者さんにカルテを開示しても、トラブルになるどことか「自分の言ったことをしっかり聞いてくれている。」と思ってもらえるでしょう。
このように、小さなことでも患者さんか感じていることも記録しておくことで、次回の施術時に患者さんに「この間の○○の件ですが、調べたら△△は関係なく、□□のようです。」に説明すれば患者さんも「この人は私のために一生懸命努力してくれている」と感じるでしょう。

鍼灸マッサージ院で施術を行っているとどうしても「症状の緩和をする」方向に目が向きがちですが、患者さんに安心して施術を受けてもらうことも重要なことです。
患者さんの何気ない一言に重要なヒントが隠れていることもあるため、患者さんの言葉を一言一句間違いないようにとは言いませんが、患者さんの思っている内容と書いている内容にできるだけ祖語が無いように書くことで安心して施術を受けてもらえるきっかけにもなると思います。

患者さんの望んでいるカルテと言うのは、技術的な内容だけでなく、患者さんへの寄り添い方の表れているものでもあります。日々の思いがダイレクトに出るものですので、自分の思いを表現するカルテにしても面白いかもしれませんね。
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合格発表の日ですね

今日ははり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の国家試験の合格発表日ですね。柔道整復師も今日が発表日です。
なので、少し内容も軽めに・・・

受験された方、結果はいかがでしたか?


試験に合格しても、既に試験に合格していても、いつかは初めての症例に出会うこともあります。
先日、病院で診察を受けたけれど、病名も症状名もつかず、原因もわからなかった方が鍼灸院を訪れ、鍼を打ったら良くなったという例を見ました。
はり師の方も仕事に就いてからはじめて見るようなひどい状態だったそうですが、これまでの、経験をフルに活かして施術をされたそうです。

はり師もきゅう師もあん摩マッサージ指圧師も日々の経験が積み重なって次に活かされる仕事なので、ぜひとも日々の患者さんを大切にしっかりとみてください。
そうすると5年後、10年後には経験が蓄積され、患者さんに「あの鍼灸院は施術も的確でとても良いよ」と言われるようになる”かも”しれません。(^^

「試験が終わったばかりのに、また勉強かよ!?」そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。でも、その通りなんです・・・。
鍼灸マッサージの仕事に限らず、どんな仕事でも仕事を続ける限りはなんらかの勉強がずっと続きます。
慢心せずに、素晴らしい施術ができる方になってくださいね。このサイトでも情報を提供して支援していきます。

合格された方々、おめでとうございます。これから、有資格者としてお仕事されることと思いますが、素晴らしい未来になりますようお祈りいたします。
初心を忘れず、これからも技能を高めて、多くの患者さんに喜ばれるような施術者になってくださいね。(^^
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紹介状をもらったら?

以前に紹介状に関して、「紹介状を書いたら怒られた」で紹介した通り、鍼灸院、マッサージ院から医師に対して患者さんを紹介状を書くと嫌な顔をされることもありますが、医療機関や医師に患者さんを紹介するケースは少なからず存在します。

逆に稀ではありますが、医療機関の側から鍼灸師、マッサージ師に患者さんを紹介してくれる場合もあります。医師の立場から「〇〇鍼灸院に行くといいよ」とはなかなか言いにくいので、「鍼灸治療を受けてみたら?紹介状は書くよ。」という言い方で、「ご担当鍼灸師殿」のような宛先で、患者さんが医師の書いた紹介状を持ってくるケースもあります。

ところで、医療機関から患者さんの紹介を受けた場合、どのように対応すれば良いのでしょう?
紹介に対してのお礼の手紙を書くべきでしょうか?、患者さんに施術して完了したら報告をすべきでしょうか?

どれも、「こうしなければいけない」という決まりごとはありませんが、患者さんを紹介してもらった(ある意味では「仕事を紹介してもらった」とも言えます。)のであれば、相手に礼を尽くすのが礼儀でしょう。

まず、患者さんを紹介してもらった場合にはお礼状を送りましょう。
書く内容としては、単にお礼をするだけでなく、施術の方針や方法について簡単に書いておくと相手に安心感を与える文章となりますので、書いておいた方が良いでしょう。

参考例


文章の内容は状況に応じて適宜変更してくださいね。

患者さんの症状や、紹介元との関係で内容も変わってきます。紹介してくれた医師に「ありがとう。ウチでもしっかりやりますよ。」という気持ちが伝わり、「ここなら安心して任せられる。」と思ってもらえるのが基本です。ビジネス上失礼にならなければ、自分なりの言葉に変えても大丈夫です。

※ 住所などは見ての通りすべて架空のものです。



さて、ここで1つポイントがあります。医療機関に対して患者さんを紹介する場合、どこの医療機関にかかるかの選択権が患者さんにあるため、依頼状や紹介状を患者さんに渡して患者さんが医療機関に持って行きます。ところが、患者さんの紹介を受けた場合のお礼状は、患者さんに渡すのではなく直接郵送しましょう。手紙は「誰それさんからです。」と第三者に手渡されるより、送られてきた方がうれしいものです。また、お礼を言うのに人づてではお礼にならないですから(^^

めったにない書くことのない文章でも、知っているだけでいざというときに慌てないですみますよ(^^
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カルテ・施術録の書き方(基本編)

「カルテ」、「診療録」、「施術録」、いろいろな呼び名がありますが、ご存じの通りいずれも患者さんの状態や治療に関することを記載した記録の事です。
(ここでは鍼灸マッサージ師の方を対象に「施術録」で統一します。)

この「施術録」、様々な形で利用されます。
たとえば、他の鍼灸マッサージ師や他の医療職種の人たちとの情報共有ツールとしても機能します。(患者さんが引っ越しなどで別の院に移られる場合の情報提供や、医療機関に骨折の診断を出してもらうためにレントゲンの撮影依頼をする。など)
また、患者さん、保険会社、裁判所などから情報の提供や開示を求められる場合もあります。
どんなに「開示が嫌だ」と言っても、法律では「カルテは患者のものであり、施術者はそれを預かっている」と解釈されます。また、施術者/施術所が個人情報取扱事業者ならば、患者がカルテの開示を求めればそれに応じる義務があります。

これらの事を考えると、施術の記録は誰が見ても読める、そして理解できるようにすべきです。記録者本人にしか理解できないような内容では開示してもただの暗号文になってしまいますの。
暗号文にしないポイントには、次のようなものがあります。
誰が書いたのか分かるようにする。
誰にでも読める字で書く。
略語などは、略語辞典などに記載されている一般的なものを用いる。
記録様式には問題指向型診療録を用いると便利。(この話は別途書きますね。)
東洋医学的な所見は「東洋医学的所見」としてまとめる。
などがあげられるでしょう。

鍼灸マッサージカルテ

ここで、少々宣伝を・・・

鍼灸サポートでは、書きやすいカルテ、読みやすいカルテはどのようなものかを考え、オリジナルのカルテを作成しました。

鍼灸サポートのカルテは、表面にカルテを作成する上で基礎データ(現病歴・身体所見・生活像情報)の収集がしやすい形式、裏面は施術箇所を記入しやすい人体図や反射を記録できる図が入っており、患者さんの身体の状態が一目で分かるようになっています。

用紙は一般的に使用されるコピー用紙よりも厚手のものを採用していますので、裏写りしにくいようになっています。また、印刷色は薄めの色を使っており、記載に使ったペンの色が黒でも青でも赤でも書いた文字と印刷の文字がはっきりと判別できます。そのため、読む方のストレスが少なくなるように工夫しています。

A4サイズ100枚入りで799円(税込)です。鍼灸サポート WEBショップでお買い求めいただけます。

経過記録用紙もありますので、あわせてご利用ください。
現在B5版も作成中ですので、近日中に発売開始いたします。


この中でも、誰が記入したかは非常に重要です。
複数の関係者が記録を書く可能性がある場合には、その記載内容に誰が責任を持っているかを明確になるためです。これが分からないと、万が一の医療過誤があった時に誰の責任かも分からなくなってしまいます。それだけでなく、「この患者さん、前回来院時はどんな具合だった?」と聞くこともできなくなってしまいます。
なので、「筆跡で誰だかわかる。」ではなく「記載者は誰」が分かるように署名な捺印をすると良いでしょう。

さらには、他院に対しての文書として出す書類としてであれば、どのような資格者が何をしたのかが分からないので、「鍼灸師〇〇」、「マッサージ師××」と署名したほうがより親切になります。

丁寧な記録は記録を読む側が理解しやすいだけでなく、読んでいる時のストレスも少ないものです。
例えば・・・

悪い例)

24日、患者Aさん来院。腰。ACU。(A)


良い例)

3月24日、患者Aさん、腰の痛みを訴え来院。3日前に自宅で掃除中に椅子を持ち上げようとして負傷。腰に既往歴などはなし。熱感はなし。急性腰痛症と考える。腎経、膀胱径、肝経に鍼で施術。自宅では安静にするよう指導。(施術者:はり師A)


多少大げさに書いてはいますが、同じ患者さんへの対応でも、見比べると一目瞭然ですよね?
丁寧な記録は自分以外のストレスを軽減させることで、患者さんに対してより良い対応をすることにもつながりますので、記録を書くときには気を付けてみてください。

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カルテは書く必要があるのか?

カルテとは何でしょう?
法律で書くことを決められた書類?
法律で決められているから仕方なく書くもの?


医師法や歯科医師法では医師は患者を診療したら遅滞なく「経過を記録すること」が義務づけられています。
なので、医師や歯科医師はカルテの記載が絶対必要となっています。

しかし、鍼灸師や柔整師の場合は、あはき法(あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律)・柔道整復師法にはカルテの記載が法律では定められていません。
(療養費扱いの場合は通知という形でカルテ(施術録)作成と5年間の保存義務があります。)

なので、、、カルテは書かなくても自由!

常識的に通用しませんよね。
(鍼灸院、マッサージ院のカルテは各自治体の条例や規則に基づいて検査されることとなっていることもありますので、確認してみてください。)

患者さんに対して医療行為をしているのですから、患者さんはカルテがあると考えます。
患者さんから「これまで治療の内容を説明してください。」と言われても「記録していないからわかりません」は通用しませんよね?
患者さんが急に具合が悪くなってしまった時に、「このあいだの治療のせいだ」と言われても何も記録がなければ「私のせいではありません」とは言っても信用してもらえませんよね?(言い張れはするでしょうが・・・。)
患者さんから「領収書を再発行してほしい」と言われたときに「記録がないので、いくら頂いたかわかりません」ともいえないですよね?

カルテをしっかり記載することは患者さんを守るためだけでなく、自分自身の業務を楽にするためにも、自分を守ることにもなります。
なので、患者さんに身体に触れる仕事を行う以上は、ぜひともカルテをしっかりと書いてください。


きちんとカルテをつけることによって、メリットもたくさん出てきます。
インフォームド・コンセントをしているなら、その内容を記録できます。
患者さんが困っている症状や所見の情報を整理して書くことで、同じ患者さんが次に来院時には患者さんの訴えやこれまでの治療が手に取るようにわかります。
毎回の施術の内容も記録できますので、行き当たりばったりではない適切かつ効果的な方法で治療をすることが出来るようになります。
「前回はこの部位が痛かったんですよね?今日はどうですか?」と聞くことで患者さんとのコミュニケーションのきっかけにもなります。
それを繰り返すことで、患者さんから得た情報と自分の所見が増えていき、患者さんの「困った」を論理的に解決することが出来るようになります。

繰り返しになりますが、患者さんのためだけでなく、自分のためにもカルテを書くことを強くお勧めします。


「カルテ」と呼ばれている紙に、施術内容を都度メモ書きしても十分カルテにはなります。
しかし、これでは情報が整理できず、行き当たりばったりの施術になってしまうかもしれません。
鍼灸サポートWEBショップ 鍼灸サポート.comでカルテ用紙の販売をしています。
臨床の現場で必要ば事項がギュッとまとめられていますので、「カルテに何を書けばいいかわからない」という方でも簡単にカルテが作成できます。
ぜひご利用ください。
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紹介状を書いたら怒られた

皆さんは医療機関に紹介状を書くことがありますか?

と、ある鍼灸院では患者さんに紹介状を書いて渡したが、病院で紹介状を出した患者さんが怒られてしまったという事例がありました。
この例では患者さんのためを考えて紹介状を書いたのに、患者さんに不快な思いをさせてしまいました。

なぜでしょう???

実は紹介状は通称で、正式には「診療情報提供書」と言います。
なので、紹介状は「ある人(患者さん)を紹介するから会って(診察して)ほしいと頼む書状。」ではなく、
医師が、別の医師に患者を紹介する書類で、患者の基本情報や症状、治療・投薬状況などの診療情報を記載したもの。
なのです。

医師が別の医師に患者を紹介する書類で、患者の基本情報や症状、治療・投薬状況などの診療情報を記載したもの。
つまり、いくら医療系の資格を持っていても病名の診断をする事ができない立場であれば、診療情報を提供するのはおかしいわけで、
場合によっては「医師でもない者が医師に紹介状を書くとは何事だ」と考えてしまう方もいらっしゃいます。
逆に医療機関から鍼灸院、マッサージ院に対しての書面も「医師でないものに紹介状は書くのはおかしい」という理由で、紹介状を書いてもらえないこともあるようです。


当然、医療機関や医師によって判断は変わりますが、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師が医療機関や医師に患者さんを紹介するのであれば、「依頼状」や「施術情報提供書」などにした方が正確な書面になるのでしょうね。
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カルテの保管場所

個人情報のかたまりであるカルテですが、皆さんどのように保管されていますか?
電子カルテであれば置き場所に苦労はしないと思いますが、紙カルテだと保存義務もありますので、患者さんの数が増えれば増えるほどカルテの置き場所に困ってしまいます。。。

カルテの保管方法でオーソドックスなのは
  1. 鍵のかからない棚(本棚など)で保管する。
  2. 鍵のかかるキャビネットなどで保管する。
  3. カルテ専用の保管庫(部屋)で保管する。
が多いかと思います。
さすがに「カルテは放置して帰る」という方はいらっしゃらないかと思います。

厚生労働省のガイドラインでは、鍵のかかるところでのカルテ保存は要求されていませんが、カルテなどの患者さんの個人情報が存在する部屋の施錠等を行うなど、状況に応じた対応が求められています。
それでも私たちは「カルテはどこに保存するのが良いですか?」と聞かれた場合には、2の「鍵のかかるキャビネットなどで保管する。」をお奨めしています。
そして、「カルテとお金を一緒に保管しないこと。」もお奨めしています。

理想で言えば、3+2の組み合わせですが、保管庫をつくる場所が取れないことがほとんどですし、保管庫があるような院の方からこの質問は来ないはずなので、「場所を取らずセキュリティを上げられる」ことを前提にご提案しています。

なぜ鍵付きにこだわるのかと言うと、それは、「泥棒に入られても盗まれにくい」と言うのはもちろんですが、もう1つ理由があります。
次の2つのパターンを見比べてください。
  • カルテを机の上に置きっぱなしにした状態で泥棒に入られ、カルテを盗まれた。
  • カルテを鍵のかかる棚に入れ、鍵もかけていたがカルテを盗まれてしまった。
前者は患者さんにカルテが盗まれたことを説明しても納得してもらえないですよね。
患者さんは”自分の情報はしっかり扱われている”ことを前提にお店にいらしているのですから、 その期待に応えられないと信用を無くしてしまいます。

泥棒もわざわざカルテを盗みに来ることもないでしょうが、カルテをお金を別々に保管することで、「お金は取られてしまったけどもカルテ庫は無事だった」となれば安心ども違いますよね。
本当に万が一のことかもしれませんが、自分のお店の信用を守るためにも、鍵のかかるところにカルテを保管するのが良いかもしれません。

棚を置く場所がない場合には、机の横に置くような鍵のかかる引き出しなどでも良いかもしれません。
「サイドキャビネット」や「カルテワゴン 鍵付き」などで探すと見つけやすいですよ。
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個人情報保護法の対象者

前回は個人情報保護法で定義する「個人情報」を解説しました。
今回は個人情報保護法の規制の対象者を考えてみます。


個人情報保護法では「個人情報取扱事業者」と言うものが定義されており、この「個人情報取扱事業者」が個人情報保護法の規制の対象者となります。

「個人情報取扱事業者」とはどんな事業者でしょうか?
法律では次のようになっています。
この法律において個人情報取扱事業者とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいう。ただし、次に掲げる者を除く。
1.国の機関
2.地方公共団体
3.独立行政法人等(独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十九号)第二条第一項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)
4.地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)
5.その取り扱う個人情報の量及び利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定める者
となっています。

この条文を読み解くポイントは2つあります。

まず、1つ目のポイント。「個人情報データベース等を事業の用に供している者」の”等”とは何でしょう?
「ウチはデータベースなんか無いので関係ない」と思っていませんか?

実は次の項に次のような規定があります。
前号に掲げるもののほか、特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもの
つまり、五十音順に整理されたカルテのように特定の個人情報を容易に検索可能なように体系的に構成されていると
紙媒体でなくても、個人情報取扱事業者になるのです。

そして、次のポイント。「ただし、次に掲げる者を除く」
1~4は鍼灸院、マッサージ院ではありませんので、5の文章に注目します。
この政令は
政令第2条
法第2条第3項第5号の政令で定める者は、その事業の用に供する個人情報データベース等を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数(当該個人情報データベース等の全部又は一部が他人の作成に係る個人情報データベース等で個人情報として氏名又は住所若しくは居所(地図上又は電子計算機の映像面上において住所又は居所の所在の場所を示す表示を含む。)若しくは電話番号のみが含まれる場合であって、これを編集し、又は加工することなくその事業の用に供するときは、当該個人情報データベース等の全部又は一部を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数を除く。)の合計が過去6月以内のいずれの日においても5000を超えない者とする。

つまり、直近半年間で、個人情報を一度も5,000件以上持っていなければ個人情報取り扱い事業者でないのです。


まとめると、
データベースもしくは整理されたカルテなどで、5,000件以上の個人情報を持っていれば個人情報取り扱い事業者に該当します。
5,000件未満の情報しかなければ個人情報取り扱い事業者にはなりません。



とはいえ、鍼灸院、マッサージ院で取り扱っているのは患者さんの病気や怪我の情報です。
個人情報の中でも機微な情報と言われるものです。
患者さんの立場からすると、「施術を受けに行ったら他の人のカルテが見える状態で置いてあった」ら、もうそのお店には行きたくなくなることでしょう。
5,000件以上であろうと未満であろうと情報が漏えいすれば、お店の信用は失墜してしまいます。
個人情報保護法に触れなくても、患者さんから損害賠償を請求される可能性もあります。

自分のお店の信用を高めて、患者さんを紹介していただけるようにするためにも、情報の管理はしっかりとやりましょう。


次回は、情報の管理方法について解説します。


※ 法律の解釈については議論があります。解釈についての詳細は弁護士さんなどにご確認ください。
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