今年も残すところあと10日です。
クリスマスに大晦日、お正月と、何かとイベント続きなこの時期ですが、受験生にとっては最後の追い込みをかける時期でもありますね。
みなさんも、国家試験受験を控えた学生の頃には参考書や過去問題集とつきっきりに勉強されていたことと思います。

医療系の専門学校で教えている友人との話の中で、最近の国家試験問題は単に知識の暗記だけでは点数が取れないぞ、という話題になりました。

百聞は一見にしかず。

問 デング熱を媒介するものはどれか
  a 蚊
  b 蛾
  c ダニ
  d ゴキブリ

皆様なら正解はお分かりですよね?
これはとある医療系資格の試験で、衛生学分野の問題として今年の3月に出題されました。
衛生学では公衆衛生に関する内容も学びますので、感染症や感染経路に関する内容が出題されてもおかしくはありません。
ただ、ポイントなのは内容そのものではなく、内容と出題時期の関係性です。

日本の一夏を騒がせたデング熱、これは2014年の一大ニュースでした。
それから僅か半年後に、こんなピンポイントで出題されたのには非常に驚きますよね。
さらには、同様の出題がいくつもの国家試験で出題されたというのですから。

この問題を解くポイントは、
① 感染は何かを媒介して起こるという原理を理解していること
② 感染を媒介する主要なものを覚えていること。
大きくはこの2点は外せません。
いわゆる試験対策の得意な学生さんならばこの2点をしっかりと押さえて得点できるでしょう。ですが、ここが国家試験に潜む魔物の怖いところ…
『デング熱』という特定の疾患名が突然出題され、それも自らが学んできた専門分野にあまりなじみのない疾患名だったりすると、受験生は一種のパニックに陥り、答えを導き出せなくなるというのです。

ここで第3のポイントが必要です。
それが、いかに情報のアンテナを張っているか、自らの専門分野以外、特に隣接する分野への興味を持っているか、という視野の広さです。
おそらくこの問題も、試験委員の皆様の気の迷いなどという単純なものではなく、自らの専門分野にとらわれすぎに情報収集して、自らの分野にフィードバックできる力をもっているかどうか、ということを問われているような気がします。

このようなことが国家試験の場でも問われ、国家試験に含められている意味が少々変わり始めたように思います。
次回もそのような事例をご紹介したいと思います。