カルテの書き方を身につける6

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前回は「ヒアリング」という言葉を使いましたが、今回は少し掘り下げて「アセスメント」について書いていきます。
前回のサンプルも参照しながら見てみてください。

前提条件

次の例の方を仮想の患者さんとして話を進めていきますので、前提として頭に入れておいてください。


患者さんは白浜大熊猫さん。女性。45歳。身長156cm、体重55kg。
家族と同居で夫と子供3人で暮らしている専業主婦。
3年前から高血圧症でXYZ医院にかかり、降圧薬を毎朝内服している。 1年前から腰に痛みを感じており、気になるので半年前にABC病院にかかったところ「腰部脊柱管狭窄症」と診断された。
今現時点での入院・手術歴なく、担当になったはり師は夾脊穴刺鍼で神経血流を増加を目指そうと考えている。


さて、この患者さんからアセスメントを取得しようとしています。
当たり前のことではありますが「これだけが正解」というのはないので、わかりやすい「悪い例」と「良い例」を比較してみます。

悪い例

取得情報

S)「まさか脊椎刊狭窄症になるなんて思っていなかったの。子供たちの面倒も見なければいけないのに大変になってしまったわ。」
O)入院や手術はしたことがない。アルコールは気が向いたときで少し飲むくらい。
S)「血圧の薬以外は飲んでいないから健康だと思っていたわ。」
O)降圧薬を内服しているのでBP130/76と正常値。健康には自信があるよう。
O)身長155cm、体重53kg、BMI22.0。体格は標準なので問題ないと思われる。

アセスメント

健康であるという白浜さん。高血圧症があるが健康であり、施術は問題ないと考える。


良い例

取得情報

S)まさか脊椎刊狭窄症になるなんて思っていなかった。子供たちの面倒も見なければいけない。
O)入院・手術歴なし。45歳女性。
S)血圧の薬以外は飲んでいないため健康だと思っていた。
O)毎朝降圧薬1錠内服。BP130/76。自宅ではBP120/65前後で経過していたとのこと。
O)これまで大きな病気や怪我をしたことはなく、健康には自信を持っている。
O)身長155cm、体重53kg、BMI22.0
O)運動習慣なし。
O)喫煙習慣なし。飲酒は毎日(350mlのビールを1本/回)。
O)高血圧症あり(XYZ医院)。腰部脊椎刊狭窄症(ABC病院)。

アセスメント

これまでに大きな病気、怪我はなく、BMIが標準範囲内にあるが、高血圧症の診断がある。
運動習慣はなく、「高血圧以外の薬を服用していないから健康である」との発言から、健康に対しての意識は低いと考えられる。
血圧は内服薬によって正常範囲内にコントロールされている。
今回、脊椎刊狭窄症と診断され、子供の面倒も見なければいけないことから、健康管理に対する意識を改善する可能性があると考える。

比較

この2つの例の比較をしてみましょう。

取得情報

大きく変わる部分としては、「飲酒の習慣」。
良い例では飲酒の習慣は日数・量が客観的に分かります。
これに対して悪い例では日数も量もわかりません。
同じように「喫煙習慣」「薬の種類、量」「運動習慣」などに違いがあります。
いずれも客観的に見ており、今後の施術の際に正しい情報としてインプットできそうに見えます。

アセスメント

悪い例では患者の話を鵜呑みにしており、根拠もなく「施術は問題ない」と結論付けており、何も聞けていないのと同じ状態です。
良い例では各種の数値を検討し、根拠をもって判断をしており、今後の予測も踏まえたアセスメントになっている。

まとめ

アセスメントするための情報の種類は多数ありますし、患者さんの症状も様々なので、「これを聞けば完璧!」とは言えません。
しかし、大切なことは「事実を正確に書くということ」。
患者さんの主観でも施術者の主観でもなく、事実を事実として書き、読んだ人が理解し判断できるようにすることです。
鍼灸サポートで販売しているカルテでは必要な項目をまとめ、漏れが少なく分かりやすく書けるようになっています。
どのように書けばより良くなるか研究してみてくださいね。
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