多職種との連携2 -共通言語と専門用語-

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前回は、ケアマネジャーとしての業務経験を振り返りながら、多職種で情報共有する際の実際を少しご紹介しました。

文字や言葉だけでは伝わりにくいからこそ、ビジュアル化(図示)する
これは大きなキーワードだと思います。

しかし、記録は図示だけでは不十分です。
やはり注釈となるものは文字で書かねばいけませんし、現病歴などのようなものは文章化して記録する必要があります。

実は、多職種連携の中でハードルとなるものの一つが、この言葉、特にそれぞれの資格や専門分野で用いている用語なのです。

専門用語には2種類あると考えられます。
一つは、同分野(同業者)同士でしか意味が通じない「専門用語」。
もう一つは、他分野同士であっても意味の通じる「専門用語」。

皆様の学生時代を思い出してみてください。
有資格者である皆様はその専門性から全身の筋肉や骨についてずいぶん勉強されたと思いますが、他の医療職も、また介護や福祉分野も、患者様の身体に関わる業務を行う分野について学んだ方は皆、全身についての解剖学、生理学、生化学など同じように学んでいます。
つまり、この辺りの言葉はお互いが共通言語として用いることのできる専門用語で、それを踏まえての記載は、意味や定義を正しく理解出ていれば誰もが同レベルで理解をするための一助となるものです。

しかし、「経穴」などは鍼灸師独自の専門用語なので、他職種にはなかなか理解ができない部分です。
鍼灸師間だけで情報共有するには、どんどん活用していく必要がありますが、今回のテーマとしている多職種連携を想定した場合には、これは障壁となりかねません。
活用するな、というわけではありませんよ。そうした時には多くの専門職で理解できる共通言語を注釈としてつければ問題ありません。

先日のブログでは『言葉の再点検』というテーマで、日常的に使っている用語の定義について解説をしましたが、ここに出てきた「主訴」「現病歴」「既往歴」などは、医療職者なら誰もが日常的に使用している言葉ですので、資格が違っても基本的に定義は同じではずです。
しかし、定義を取り違えていたら「サービス提供者会議」などでは話は先に進みません。
その訂正から入らねばならず、なかなか本題に至れないということも私自身経験してきました。

また、診療情報提供書などの記載では、「この人、本当に勉強してきたのだろうか?」と不信感を抱かれ、どんなに適切な施術をしてきていたとしても、今後の施術同意などに影響が出るかもしれません。

多職種と連携を図るということは、究極の他者理解だと感じています。
患者様の立場を慮っての施術はもちろんですが、それと同様の考え方が、同じ医療や患者様に携わる多職種にも向けられていくことが必要です。
そのためのコミュニケーション手段の一つである言葉、大切に考えていきたいと思っています。
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