多職種との連携3 -Aというキモ-

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
皆様は実際のところ多職種連携を積極的に行っているでしょうか?
受身的な連携もあれば、主体的な連携もあると思います。

受身的な連携とは、例えば、かつての私のようなケアマネジャーより往療に関する情報のやり取りを求められたり、患者様の主治医から連絡をもらったりといった、先方から情報提供や連携を求められることが挙げられます。
主体的な連携とは、施術を行った皆様から、患者様に関わる医療職などへ情報発信することです。

今回の「多職種との連携」シリーズは、ケアマネジャーという私の経験を基に綴っている内容ですので、主に在宅診療や介護保険制度との絡みが前提です。

さて、とは言っても、鍼灸マッサージ師の行っている往療は介護保険内のサービスではなく、医療保険における施術であるのはご存じの通りですので、求めがない限り、ご自身からどこかへ情報発信するという機会は少なかったり、在宅診療や介護に関わる多職種が皆様がサービス提供していることを知らないという状況もあったりして、多職種との接点が持たれないということは多々あると思います。

しかし、患者様の身体に触れ、そのケアを行っている行為である以上、同様にケアを行っている職種は他の専門職が関わっているのか、また、どのようなアプローチをしているかを知りたいと思っています。

これは、それぞれの職種が患者様の経過や変化を観察した場合に、改善傾向や悪化傾向が自らの専門分野で行ったアプローチがもとで起きたことなのか、それとも他にも関わっている専門分野との相乗効果として表れているものなのかを分析して、これからさらにどのようなサービスを行うべきか、あるいは方針転換や修正をするか判断する際に必要な要素なのです。

この逆もあるかもしれません。
皆様の行っている施術がなかなか効果を表してこない。
それはなぜか。
自らのテクニックの問題なのか。
患者様の全身状況の問題なのか。

答えを出すにしても、目の前に見えているものだけで判断してはいませんか?
SOAP形式で経過記録をつけるのは、実はこの答えを出すための手法でもあります。
そこでキモになるのが「A」のアセスメント(Assesment)です。

アセスメントは「考察」や「評価」と訳されることが多いですが、実際にここで行っていることは、情報の収集と分析です。
すなわち、自らの目で見て(視診)、耳で聞いて(問診・聞診)、手で触れて(触診)得られる情報をあらゆる観点から結び付けて現状と比較することです。
その際に見えてこない、聞こえてこない情報が、大きなカギとなっていることが少なくありません。
つまり、背景となる情報を上手くキャッチできないと、問題の本質となる部分を見失ってしまうのです。

さて、本題を振り返りましょう。
多職種と連携するということは、ともすると相手からのアプローチをじっと待ってしまいがちです。
資格特性もあると思いますが、特に在宅に関わる職種にとって情報はありすぎても困りはしません。
たくさんあれば、それを選り分ける「アセスメント」という工程によってきちんと優先順位や重要度を見極めていますので、自ら情報収集するのと同時に、情報不足を補うために相手からの発信も待ち望んでいるものです。

皆様も往療に出向かれた際に、患者様のケアにあたっている主治医や訪問看護師、そして介護サービスに関わる職種にぜひ自己紹介を兼ねて報告をされてみてはいかがでしょうか。
担当している患者様が、一日一日を心地よく、身体に苦痛のない状態で過ごしていただけることは、医療に携わる私たちにとって共通の願いではないでしょうか。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。